MNP(Mobile Number Portabilityの略)とは、今使っている電話番号を変えずに、他社の通信会社に乗り換えられる制度。
「格安スマホにして通信費を節約したいけれど、電話番号が変わるのは困る・・・」と悩んでいる方は、ぜひ検討したいサービスです。
近年、乗り換え元の通信会社に支払う解約料の無料化が進むなど、MNPしやすい環境が整ってきています。また、有料サービスを利用すれば、今使っているキャリアメールも引き続き使用することができます。
2023年5月26日 MNPワンストップサービスについて追記しました。
目次
- 1.MNPのメリット
- ①携帯番号を変えずに乗り換え出来る
- ②自分に合ったプランの通信会社を選べる
- ③MNP限定の特典を受けられる事がある
- 2.MNPの注意点
- ①MNP予約番号に有効期限がある
- ②乗り換え元の通信会社で解約料がかかる事がある
- ③現在使っているスマホをそのまま使えない事がある
- ④通信会社によってはキャリアメールが使えなくなる
- 3.MNPの手順
- 3-1.ツーストップ方式(従来の手順)
- ①現在契約している携帯会社でMNP予約番号を発行してもらう
- ②予約番号を発行後15日以内に乗り換え先の携帯会社で契約する
- ③SIMカードが届いたら案内に従い開通手続きを行う
- 3-2.ワンストップ方式(新方式)
- ①対応通信会社
- ②MNP先で契約する
- ③SIMカードが届いたら案内に従い開通手続きを行う
- 4.さいごに
1.MNPのメリット
①携帯番号を変えずに乗り換え出来る
番号が変わらずそのまま利用出来るので知り合いに新しい連絡先を教えたり、連絡先を登録しているサービスなどに届け出なくても良いので手軽に行なえます。
②自分に合ったプランの通信会社を選べる
「最低限のデータ通信が出来れば良い」
「通話が多いから、通話料を抑えたい」
など、自分の希望に合わせてある程度通信会社を吟味出来ます。
③MNP限定の特典を受けられる事がある
・新規よりもお得な特典が用意されてる場合がある
→何故新規より優遇するのか?に関しては下記表を参考にどうぞ(A社からB社へ乗り換えを想定)
MNP | 新規 | |
---|---|---|
キャリアA | -1回線 | ±0 |
キャリアB | +1回線 | +1回線 |
キャリアBからするとMNPと新規で+1回線なのでどちらも変わらない様に見えますがMNPの場合は移動元からも-1回線されるので実質2回線分取ったのと同じになります。
それなので「各社は新規よりもMNPに力を入れてる傾向」があります。
・特典の一例(2023年4月9日時点)
携帯会社 | 特典内容 | 備考 |
---|---|---|
ドコモ | dポイント10000円分 | オンラインショップ限定 SIMのみ |
ソフトバンク | 端末最大21,600円引き | オンラインショップ限定 端末購入の必要あり |
au | auPAY10,000円分 | オンラインショップ限定 SIMのみ |
ワイモバイル | PayPayポイント20%還元 | オンラインショップ限定 ソフトバンク・LINEMOからはNG SIMのみ |
UQモバイル | auPay10,000円分 | オンラインショップ限定 au・povoからはNG SIMのみ(eSIMだと+3,000円) |
OCNモバイル | 対象の端末が17,000円値引き | オンラインショップ限定 ドコモ回線 |
全部オンライン限定か・・・と思ったでしょうが対面でも受けられる場合があります
・大型ショッピングモール等のキャリアの出張販売所
・家電量販店
注意点としては土日祝日などにしかやってないという所ですね。
ドコモとかワイモバイル・UQモバイル等は来てるのを見たことある人もいるのでは無いかと思います。
2.MNPの注意点
①MNP予約番号に有効期限がある
MNPの手続きをする際、現在利用している通信会社で「MNP予約番号」を発行してもらう必要があります。この番号の有効期限が大体15日間の有効期限があるので、この期限内に乗り換え先の通信会社で手続きをしなくてはいけません。
オンラインでは有効期限が○○日以上残ってないと手続き出来ませんというケースがあるので注意が必要です。
後は誤解している人が多いですが「MNP予約番号の発行」では解約にはなりません。
②乗り換え元の通信会社で解約料がかかる事がある
MNPは乗り換え先の通信会社と契約した時点で元の通信会社は解約されます。
最近のプランは解約料を1,100円以下に規制されていますが古いプランを利用している方は要注意です。2019年以前のプランには解約料の規制が掛かってないので10,000円近くの契約解除料が発生することがあります。
※2019年以前のプランを利用している場合は解約料についてチェックをおすすめします。
③現在使っているスマホをそのまま使えない事がある
MNPは現在のスマホのまま、SIMカードを差し替えて通信会社を変更出来る制度です。
ただし、使っているスマホによっては特定の通信会社でしか使えないように「SIMロック」がかかっていたり、乗り換え先で利用出来ない場合があります。(主にキャリアで買ったAndroid端末はそのキャリアでしか使えない様になっている場合が多いです)
SIMロック解除は2021年10月1日以降に発売されたスマホは原則禁止になったので不要です。
それ以前に発売されたスマホはSIMロック解除手続きを行う必要がある場合があります。
※店舗だと手数料が発生します。オンラインなら無料で出来ます。
携帯会社 | 手続きページリンク |
---|---|
ドコモ | ドコモSIM ロック解除 |
ソフトバンク | ソフトバンク SIMロック解除 |
au | au SIMロック解除 |
ワイモバイル | ワイモバイル SIMロック解除 |
UQモバイル | UQモバイル SIMロック解除 |
SIMロック解除後もしくは解除済みでの移動先候補一例(端末が対応しているか確認は必須です)
移動元 | 移動先候補 | 各社動作確認一覧 |
---|---|---|
ドコモ | OCNモバイル | 対応端末一覧 |
ドコモ | イオンモバイル | 対応端末一覧 |
ドコモ | 日本通信SIM | 対応端末一覧※1 |
ソフトバンク | ワイモバイル | 対応端末確認 |
ソフトバンク | LINEMO | 対応端末確認 |
ソフトバンク | mineo | 対応端末確認 |
au | UQモバイル | 対応端末一覧 |
au | mineo | 対応端末確認 |
au | イオンモバイル | 対応端末一覧 |
※ リンクは新しいタブで開きます
※1 よくある質問→どんなスマホで使えますか?を確認して下さい
④通信会社によってはキャリアメールが使えなくなる
MNPして他社に乗り換えると、それまで使っていたキャリアのメールアドレスが使用出来なくなるので注意が必要です。
下記は一例になります。
通信会社 | メールアドレス |
---|---|
ドコモ | @docomo.ne.jp |
ソフトバンク | @softbank.ne.jp |
au | @ezweb.ne.jp |
メールなんて普段しないから問題ない…という認識は間違いなので気をつけたほうが良いです。
現在多くのネットサービスの登録にメールアドレスが必須になっています。適当に登録していると使っている可能性が高いです。それなのでMNP前にメールアドレスの変更をおすすめします。
メールアドレスの変更については大抵の人がGoogleアカウントを持っていると思いますのでGmailをオススメします。次点でYahooメールをオススメします。
提供元 | メールアドレス |
---|---|
@gmail.com | |
Yahoo! | @yahoo.co.jp |
キャリアメールをどこで登録したか分からない・・・変更がめんどくさいと言う方には有料サービスになりますが2021年12月から各キャリアよりメールアドレスの持ち運びサービスを各キャリアが提供しています。
基本は解約後にマイページより申し込む形になります。
通信会社 | 値段 | リンク | 備考 |
---|---|---|---|
ドコモ | 330円 | ドコモメール持ち運びサービス | ahamoのみ 移行時に申し込み |
ソフトバンク | 330円 | ソフトバンクメール持ち運びサービス | 年間申込みで3,300円 |
au | 330円 | auメール持ち運びサービス |
3.MNPの手順
乗り換え先にショップがある場合は対面でサポートしてくれる場合があります。
3-1.ツーストップ方式(従来の手順)
MNPワンストップサービスが2023年5月24日(水)より開始されましたが対応している通信会社でもこちらの方式は引き続き利用できます。
対応してない通信会社にMNPをする場合はこちらの方式を利用する事になります。
※主に大手キャリアから格安SIMにMNPする場合はこちらの手順でやることになります。
①現在契約している携帯会社でMNP予約番号を発行してもらう
手続きは携帯会社のマイページで殆どが出来ます。
携帯会社によっては即時発行されない場合があるので余裕を持って出しておいた方が手間取らずに済みます。
サブブランドに移行する場合は番号が不要の所もあります(ワイモバイル・UQモバイル等)
MNP予約番号発行では解約にはなりません。乗り換え先で開通した時点で解約となります。
②予約番号を発行後15日以内に乗り換え先の携帯会社で契約する
移動先の携帯会社によっては○○日以上残ってないと出来ません等の条件あり
自分の持ってる端末が移動先の携帯会社で使えるか確認
乗り換え先で契約した時点では元の携帯会社は解約にはなりません。
③SIMカードが届いたら案内に従い開通手続きを行う
オンラインで契約した場合は契約後数日中にSIMカードが届きます。
※対面での受け取りが必須になっている場合が多いので注意
SIMカードと一緒に設定のやり方が同封されているのでその手順通りにやれば乗り換え完了です。
開通完了で元の携帯会社は解約になります。
一部の携帯会社ではMNP予約番号の期限が切れると自動で切り替わる所がありますが使えなくなる可能性が高いので必ず開通手続きは自分で行いましょう。
※eSIMに対応している通信会社や端末の場合は即日開通も可能
3-2.ワンストップ方式(新方式)
2023年5月24日(水)より一部の通信会社で提供開始
MNP先の事業者が対応してないと利用できません
①対応通信会社
2023年5月24日(水)時点
※追加され次第追記して行きます。
- NTTドコモ(docomo / ahamo)
- KDDI/沖縄セルラー電話(au / UQモバイル / povo)
- ソフトバンク(ソフトバンク / ワイモバイル / LINEMO)
- 楽天モバイル
- 日本通信(ドコモ系列の格安SIM)
日本通信についてはこちらの記事で解説しています
②MNP先で契約する
MNPの項目でワンストップ方式で契約を選択する
※画像は日本通信を利用しています
ここでワンストップ方式に対応してない通信会社はこの表示が出ません。
※従来のMNP予約番号を取得してのツーストップ方式になります。
③SIMカードが届いたら案内に従い開通手続きを行う
オンラインで契約した場合は契約後数日中にSIMカードが届きます。
※対面での受け取りが必須になっている場合が多いので注意
SIMカードと一緒に設定のやり方が同封されているのでその手順通りにやれば乗り換え完了です。
開通完了で元の携帯会社は解約になります。
一部の携帯会社ではMNP予約番号の期限が切れると自動で切り替わる所がありますが使えなくなる可能性が高いので必ず開通手続きは自分で行いましょう。
※eSIMに対応している通信会社や端末の場合は即日開通も可能
4.さいごに
この記事を読む人はドコモ・ソフトバンク・auの人が多くなるのでは無いかなと思いますが家族割を組んでいる場合は他の家族の人が高くなる事があるので相談の上で行ってください。
※例外としてドコモユーザーがahamoに変えるのは問題なしです。
MNPワンストップは従来の予約番号の取得の手順を飛ばして簡易的な物にした内容ですね。
ただ簡易的になった事で間違って契約しちゃった・・・と言う事が無いようにしましょう。
契約が完了して開通したら元の通信会社は自動で解約されます。
- サブスク関連の引き落とし方法
- メールアドレス等の確認
→キャリアメールの場合オプションを申し込まないと利用不可になります
は最低でも確認しておきましょう。
今後もこの様な感じで情報を発信していけたらと考えています。
相談等も受けて行きたいとも考えています。
Twitter等もフォローして頂けると幸いです。それではまた次回に!
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